2009年1月14日水曜日

1938年 南京 1月14日

「南京の真実」(ラーベ著:講談社)より
ラーベの返事(抄録)1938年1月14日  於南京
 W.マイヤー社長の1938年1月3日付の書状に関して
 本日、ドイツ大使館を通じてお手紙いただきました。昨年、漢口へ行くようにとのご連絡をいただきましたが間に合いませんでした。電報が届いた時、ドイツ人たちはすでにクトゥー号で発ったあとだったのです。また、中国人従業員、つまり韓さん一家をはじめ、整備工たちもみなオフィスに避難しておりましたので、彼らを見捨てることはできないと考えておりました。あのときお返事しましたように、私は安全区を設置するために当地で発足した国際委員会の代表を引き受けました。現在ここは20万人もの中国人非戦闘員の最後の避難場所になっています。これを組織するのは必ずしも容易な仕事ではありませんでした。しかも日本から全面的には承認を得られず、中国軍上層部が、ぎりぎりまで、つまり南京から逃げ出すまで部下と共にここに駐留していたために、いっそう困難になりました。
 今まで、給食所や食糧の配給所などを設置して、安全区にひしめいている20万人の市民をどうにか養ってこられました。ところが今度、「難民の保護は新しく設立された自治委員会が引き継ぐ。よって米販売所を閉鎖すべし」との命令が日本軍から出されたのです。市内に秩序が回復し、南京を出る許可が下りましたらそちらに参ります。今までのところ、申請はすべて却下されています。
 安全区委員会の解散まで私が当地に留まることをお許し下さいますよう、遅ればせながらお願い申し上げます。というのも、わずかとはいえ、我々外国人の存在が大勢の人々の禍福を左右するからです。日本兵のすさまじい乱暴や殺人行為から逃れるため、12月12日以来、私の家と庭だけでも600人以上の極貧の難民たちがおります。たいていは庭のわら小屋に住んでおり、毎日支給される米を食べて生きています。
      ナチ式敬礼をもって     ジョン・ラーベ


「南京事件の日々」(ヴォートリン著:大月書店)より
1月14日 金曜日
 再び陽が照りだし、かなり暖かい。言葉に表せないお恵みが続いている。
 ヒルクレスト学校に近い寺院の倉庫から学院に米28袋を搬入することで一日が終わった。もし、リッグズがトラックを確保できなければ、手押し車や荷車による運搬で一日費やすことになるだろう。
午後3時ごろ、私たちがあきらめかけていたその時、リッグズがトラックに乗ってあらわれた。
 新しい警備員と顔見知りになるため、午前11時30分、王さんと一緒にまた門衛所まで出向いた。隊長は農民で、他の2人は技術者と軍需工場の労働者である。顔見知りになるためにこうした方法をとるのは、時間がかかるが、それだけの価値があると思う。様々な警備兵がやってくるが、今までのところ何も問題を起こしていない。警備兵を毎日交替させないで、優秀な警備兵4人を選んで常時配置してくれたら、もっと落ち着いた気分になれるのだが。
 現在は城内の少なくとも一部で電灯がついており、近く無線通信がまた聞けるようになる。徐州府付近に中国と日本の大軍が集結しているというニュースが入ってきた。その地域の一般民衆をつくづく気の毒に思う。
 今日、豚を生きたまま一頭買おうとしたが、ある情報通から、南京の周囲何マイルにもわたって豚はいない、と言われた。馬肉、ラバ肉、そして犬の肉までも売られているが、豚肉や牛肉は売られていないそうだ。・・・・・・・・


 午後から夜にかけて大きな火災を2件目撃した。1件はは北西方向、もう1件は東方だった。略奪と焼き払い、そしてその後遺症がまだ続いている。おびただしい量の略奪品が街頭に出てきている。下層分子が好機に乗じようとしている。警察力がない場合、放免される連中だ。
 今日憲兵と一般兵士の2人が外国人の家で略奪を働いているところを発見された。

「Imagine9」解説【合同出版】より


武器をつくったり


売ったりしない世界


 世界では今、武器貿易を取り締まるための「武器貿易条約(ATT)」をつくることが提案されています。世界的な市民運動の結果、このような条約をつくろうということが2006年に国連総会で決議され、そのための準備が始まっています。
 しかし、世界的には武器をつくること自体、また、武器を売ること自体が禁止されているわけではありません。提案されている条約も、武器貿易を登録制にしようというものであり、武器貿易の全面禁止にはほど遠い内容です。
 
 日本は、憲法9条の下で「武器輸出を原則的に行わない」という立場をとっています(武器輸出三原則)。このような日本の立場は、世界でも珍しい先進的なものです。
 しかし、一方で、日本はアメリカと共同でミサイル防衛の兵器開発を進めており、この分野は武器輸出禁止の「例外」として認めています。
ミサイル開発に携わる企業からは、武器輸出を認めるよう求める声が高まっています。「日本は将来、憲法9条をなくして、ハイテク技術を駆使して武器をつくり世界に売り始めるのではないか」と心配する人も増えてきています。
 私たちは、武器を輸出する国になるのか、それとも「武器の禁止」を世界に輸出する国になるのか、分かれ道にいます。



第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。



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