2009年1月19日月曜日

1938年 南京 1月19日

「南京の真実」(ラーベ著:講談社)より
1月19日
 ラジオによると、あるベルリンの新聞がこれ以上中国に侵攻するなと日本に警告したそうだ。さらに、名誉ある平和を中国に申し出るよう勧めたとか。いやはや、いい気なもんだ。日本がいわれたとおりにするとでも思っているのか。
 隴海鉄道沿線での大規模な戦闘が間近に迫っている。国民政府軍はおよそ4万人の兵力を擁し、編成し直されたとの話だ。少なくともラジオではそう言っている。無能な将校は一掃されたとも聞く。だが、残念ながら、中国が勝つという希望はこれっぽっちももっていない。
 青島も、日本軍に占領された。済南も。芝罘では、日本側の報告によると、中国警察が反乱を起こし、略奪したそうだ。
 山東省の司令官韓復榘と2人の将官が、即決裁判によって、蒋介石の命により射殺されたそうだ。抵抗が十分ではなかったということらしい。こちらでは、韓復榘が現金をそっくり日本の銀行に投資したと、もっぱらの噂だ。そうに決まっている。おそらく日本からもらった金だろう。・・・・・

 漢口から出発した防毒部隊はいっこうに到着しない。まだ役に立つかどうか、あやしくなってきた。


 今日、解雇通知を書いた。中国本社の指示で、事務所を閉鎖しなければならないからだ。・・・・
・・・・・一月分の給料を全額支払おう。だが正月の心づけはなし。思えばこれは非常にむごいことだ。中国の正月は2月1日からなので、もう目の前に迫っている。正月だからというので、食料品の価格は(まだ手に入ればの話だが)、とてつもなく上がってしまった。もっとも、ここ何十万もの人たちだって、彼らよりましな暮らしをしているわけではないのだが。従業員はみな、私のところで暮らしているが、それも私がここにいられる間の話だ。食料を買う金が足りなくなったら、国際委員会の給食所に厄介にならざるをえない。どっちみち、すでに650人のほとんどがそこから食糧をもらっている。一日、米2袋だ。・・・・・




 長年のアシスタント、韓にあてた解雇通知 
1938年1月19日 於南京
 韓様
 戦争による業務停止のため、上海からの指示により、やむなく南京支社を閉鎖しなければならないことになりました。したがって、あなたの職務も終わります。けれども、当社としては、戦争が終わった後、事情さえ許せば、ぜひまた韓さんに働いていただきたいと考えています。つきましては今後の住所を知らせていただきたいと思います。
 この場をかりて、当社における過去6年間の忠実な勤務に対し、心からの賞賛と感謝の気持ちを表したいと思います。
                        敬具
   ジーメンス洋行    ジョン・ラーベ、南京代表



「南京事件の日々」(ヴォートリン著:大月書店)より
1月19日 水曜日
 ほとんど一日中、やむことなく雨が降った。道路がどんな状態になっているか想像がつくと思う。2週間前に何万人もの人たちがこのキャンパスで登録したさい、地面を踏みつけ、今や雨でそれがぬかるみとなってしまった。何千人という人が靴に泥をつけたまま建物に入ってくるので、どうすることもできない。
 午後、すばらしい集会が二つあった。・・・・・・・



 午前中、王さんと刁さんは、夫や息子がいまだに帰宅していない女性から引き続きデータを集めている。夫と4人の息子を連れ去られたまま一人も戻ってこない、という女性がいた。あまりにも大勢の人が援助を求めてやってくるので、目立ってしまい、女子学院やここの避難民に危害が及ぶことにならないかと心配している。

 今日は外界からの情報は聞いていない。ご存知のように、無線はないし、情報を持っている数少ない外国人、たとえばジョン・マギー、国際委員会、大学病院、平昌巷三号などと常に連絡をとっているわけではない。今日クレーガーが訪ねてきて、最近は上海から船が全く来ないので、いつ南京から出られるかわからない、と言っていた。
今夜、キャンパスの奉仕者仲間が程先生の居間に集まって、それぞれの避難民を確認するための名札1500枚に番号をつけスタンプを押す作業を終えた。各家族グループの組長の服に縫い付けてもらうつもりだ。ここの収容所のほうが便利であるという理由だけで、よその収容所から移ってきてもらいたくない。そのような人がいるという話を聞いている。また、名札は粥場を運営している男性たちにとっても、ここの避難民が日々の割り当て量を確実にもらえるようにするのに役立つだろう。・・・・・



「Imagine 9」解説【合同出版】より



基地をなくして


緑と海を取りもどしてい世界



 戦争は最大の環境破壊です。油田が燃やされ、爆破された工場は有毒物質を垂れ流し、ときには「劣化ウラン弾」(放射性物質の兵器)が使用され、周辺の環境を何世代にもわたり破壊します。しかし、環境に深刻な影響をもたらすのは、実際の戦争だけではありません。

 世界中に、戦争に備えるための軍事基地がつくられています。アメリカは、40カ国700ヵ所以上に軍事基地をもち、世界規模で戦争の準備をしています。日本にもたくさんの基地があります。
 基地の周りでは、兵士による犯罪が大きな問題になっています。基地周辺の女性が暴力にあう事件が頻繁に起きています。ひどい騒音もあります。
 基地による環境汚染は深刻です。ジェット機の燃料が垂れ流されたり、危険な毒物、金属、化学物質が土地を汚染しています。こうした問題を、国はいつも隠そうとします。国は汚染した土地の後始末にさえまじめに取り組もうとはしません。それでいて、「基地は平和と安全を守る」と繰り返しています。基地の周りの人々の暮らしは「平和や安全」とはとても言えたものではありません。
 軍事基地はつねに、植民地に設置されるなど、立場の弱い人たちに押し付ける形でつくられてきました。先住民族は押さえつけられ、その権利や文化は奪われ、人々の精神や心理さえもむしばまれてきました。



第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


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