2009年2月25日水曜日

1938年 南京 2月25日

「南京の真実」(ラーベ著:講談社)より
2月25日
 フィッチとジーメンス中国本社に無線電信で私の到着を知らせた。それぞれアメリカ総領事館と、ドイツ総領事館に打電してもらった。明日の午後、フィッチはアメリカに発つという。その前に是非フィッチに会って南京から持ってきた郵便物を渡したいと思っている。


2月28日
 昨日の午後2時に上海に入港した。もうすっかり出航準備の整ったグナイゼナウのそばを通った時、私の名を呼ぶ声が聞こえたが、何しろ窓の数が多く、どこから聞こえてきたのかわからずじまいだった。フィッチもこの船に乗っていたので、結局郵便物を渡すことができなかった。3時15分過ぎに私が上陸した時には、グナイゼナウは出航しかかっていたのだ。
 税関桟橋を通った時、ドーラの姿が見えた。ドーラの方は遠くて私がわからなかったようだ。


 こうしていま、上海でゆっくりとくつろいでいると、なんだか「ベルリンへ凱旋した鼻高々のドイツ兵」のような気がしてくる。誰もが私を英雄のように扱う。こそばゆくてたまらない。外見からいっても内面的にも、英雄的なところなど何一つないのだから。
 ほめそやされるたびに、あの美しい詩が頭に浮かんでくるーハンブルグの若者が溺れた仲間を助けた。助けてもらった仲間の父親が夕方訪ねてきて礼を言った。「君は命の恩人だ」「命の恩人だって?よしてくれ」こう言って、若者はくるりと背を向けた。


「南京事件の日々」(ヴォートリン著:大月書店)より
2月25日 金曜日
 暖かな天候が続いている。春の球根が顔を覗かせている。庭の棚囲いの中で「迎春花」が咲いている。収容所の新計画作りで午前を過ごした。遅々としてはかどらない仕事ぶりだ。というのも、職員の人数が限られているからだ。
 2時から乳呑児のワクチン接種が始まり、5時20分まで続いた。全部で1117名の接種が行われた。
ブレイディ医師が3人の助手を連れてきた。場所は、2つの南寄宿舎の間の日当たりのよい場所だ。全員に強制的にワクチンを接種することになるのだろうか。
 午後3時、病院の礼拝堂で行われた市内キリスト教徒奉仕者の集会に出席した。聖公会信徒としては男性3人と女性5人の福音伝道奉仕者が出席していた。・・・・・・・・・・・・・・


 ミルズさんは、以前よりも市街が静かなようだ、と言っている。莫愁路はいまや市場通りになりかけている。従来の商店街はまだ出現していない。多くの店がすっかり破壊されたので、商店街の復興には長い時日を要するだろう。
 今日の午後、集会に行く途中、安懐墓地のそばを通った。そこで私は、身元引受人のいない死体の埋葬に紅卍字会の作業員が今も追われている場面を目撃した。むしろにくるまれて壕の中に置かれた、と言うよりは引きずりこまれた死体だ。臭気がとてもひどいので、今では作業員はマスクを使用しなければならない。これらの死体の大部分は占領直後数日間のものだ。
 
 

「Imagine9」【合同出版】より


武器を使わせない世界


 核兵器を全面禁止することこそ必要です。世界のNGOは、「核兵器禁止条約」をつくることを提案しており、国連で交渉を始めることを呼びかけています。
 生物・化学兵器は、国際条約ですでに全面禁止されています。もちろん禁止しても、隠れて開発する国や人々が出てくる可能性はあります。その時には国際機関が査察を行い、科学技術を用いて調査し、法に従って解決すべきです。

 ノルウェーは2006年、地雷や核兵器といった非人道兵器を製造している企業に対しては、国の石油基金からの投資を止めることを決めました。日本は、「核兵器をつくらない」「もたない」「もちこませない」という「非核三原則」をもっています。
 原爆を投下された日本は、「やり返す(報復)」のではなく「この苦しみを誰にも繰り返させたくない。だから核兵器を廃絶しよう」という道を選びました。私たちは、この考え方をさらに強化して、世界に先駆けた行動をとることができるはずです。



第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


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